家庭看護力養成サポーター講座
家庭看護力について
救急医療体制等のあり方に関する検討会 報告書において、「行政機関や医療機関は、国民に対して救急医療体制を適正利用するために必要な知識を啓発することで、受診の必要性や緊急性を患者家族が自ら判断できる判断能力(家庭看護力)を地域において醸成し、継承していくべきである。」と記載されています。
当センターの設立者 故市川光太郎先生は、家庭看護力として小児救急医療現場のトリアージで使用されている第一印象(PAT)を用いることで緊急度の判断が可能になるのではないかと考えられました。その考えを元に保護者の「いつもと違う」ことにも着目し、救急受診の目安・判断チェックリストを作成されました。
チェックリストにも記載されていますが、家庭看護力は受診の遅れを防ぐことを目的としています。軽症で受診してもらい、軽症で終わらせることが小児救急医療の本質であると我々は考えています。受診抑制を目的としたものではありません。本主旨をご理解頂いた上で保護者への知識の啓発のため資料を活用頂ければ幸いです。
参考資料
- 救急医療体制等のあり方に関する検討会 報告書
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000036820.html - 田中 哲郎, 市川 光太郎:保育園で急病が疑われる際の観察チェックリストの作成とその有用性. 日本小児救急医学会雑誌. 2015;14:23-29.
- 市川 光太郎:保護者との協働による「小児初期救急医療」の質の向上を目指して. 日児誌 119: 1341-1346, 2015